理事長ご挨拶

理事長

一般社団法人 歯科基礎医学会
理事長 宇田川信之

この度、井上富雄前理事長の後任として理事長を拝命しました松本歯科大学の宇田川信之です。よろしくお願いいたします。

歯科基礎医学会は昭和34年(1959年)に243名の会員で発足し、60余年経った現在、会員数約2,000名の学会に発展いたしました。歯科基礎医学会は、解剖学、組織発生学、生理学、生化学、薬理学、微生物学、病理学の7分野の研究者で構成されています。本学会は、学会員の専門領域を活かして多様な研究テーマに対する取組みを介して、生命科学の発展と歯科臨床に対する貢献を目指しています。そして、臨床講座の先生方と共同しながら、医学・薬学・理学・工学・農学など様々な分野の優秀な基礎研究者との連携を図り、日本のオーラルバイオサイエンス研究を世界に羽ばたくものにしていきたいと考えています。そのためには、学術大会を一層アカデミックなものにしながら、幅広い研究分野との交流、会員数の増加による財政面の強化、若手研究者助成、今般インパクトファクターが付与された本学会機関紙(JOB)の更なる充実、国際連携事業の推進などを目指していきたいと真摯に考えております。

私と歯科基礎医学会とのつながりは、今から38年前の第26回学術大会を松本歯科大学キャンパスで開催した際に遡ります。当時、同大歯学部の第3学年に在籍していた私は会場のスライド係としてお手伝いをさせていただきました。当然、発表内容についてはほとんど理解できませんでしたが、学術研究に対する尊敬と憧れを抱いた初めての機会であったと思います。その際、颯爽と特別講演をなさったのが、骨の石灰化に関して「エピタキシー説」を提唱したマーガレット ニューマン先生でした。その後、私が骨の研究を一生の仕事とするとはその当時想像も出来ませんでした。大学卒業後、昭和大学歯学部で臨床研修(口腔外科)を受けた後、須田立雄先生が主宰する生化学講座の大学院生として研究生活に入りました。高橋直之先生の指導の下、田中 栄先生(現東京大学医学部整形外科学講座教授)をはじめ多くの仲間と一緒に、破骨細胞分化の研究に魅せられ、基礎研究にのめりこんでいきました。

恩師から学んだことは、まずは基礎研究の楽しさでしたが、同時に英語論文として如何に速く皆に読んでもらえる学術雑誌に掲載させるための厳しさでした。近年になり、「国際化」「グローバル化」という言葉がもてはやされていますが、歯学のグローバルな発展のためには研究こそが基盤になると痛感しております。我が国は、2040年に高齢者人口はピークを迎え現役世代が急減します。この「2040年問題」に対する本学会の取組みについて、イノベーションロードマップをご覧ください。

皆様の更なるご支援・ご鞭撻をお願い申し上げます。

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東京都豊島区駒込1-43-9
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