生理学分野

生理学は生物の機能を研究する学問分野です。解剖学が扱う形態は直接目で確認できるので、一般の方にも理解しやすいのですが、身体を動かす機構は筋肉や神経、さらには脳まで関わっているため、機能の説明は複雑です。従来、生理学的な研究では神経を刺激したり神経活動を記録していました。このため、ヒトを対象とするには危険を伴うため動物実験が主流でした。しかし、最近ではPET、f-MRI、f-NIRSといったヒトの脳機能を外側から安全に記録する方法が開発され、動物実験で得られた知識と組み合わせることで脳の機能が明らかにされてきています。

口腔生理学は身体の中でも特に口腔・顎・顔面領域に現れる生命現象を取り扱う生理学の一分野です。口腔機能には①食物の粉砕・消化(栄養摂取機能)、②会話(コミュニケーション機能)、③感情の表現(心理表現機能)、④呼吸・くしゃみ・咳(呼吸機能)が挙げられます。食物の粉砕(咀嚼)には味や歯ごたえが感覚器を通して脳にフィードバックされ「おいしいさ」を生み出し、会話や表情は他人とのふれあいを通して「楽しさ」が得られます。

口腔生理学では口腔機能を研究すると同時に、歯科医を目指す学生に口腔機能の重要性を教育し、国民の健康維持に貢献しています。

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