解剖学分野

医学を修めようとするものが最初に学ぶ学問が解剖学です。これは病気、治療法について学ぶ前に人体の正常な構造を詳しく理解しておく必要があることはいうまでもありません。そのため、解剖学が「基礎の基礎」といわれています。

解剖学が扱う分野は非常に広く、研究する方法により大きく二つに分けられます。肉眼解剖学と顕微解剖学です。肉眼解剖学は、主として、肉眼によって剖出と観察を行う解剖学であり、顕微解剖学は顕微鏡を用いて人体の微細な構造を明らかにする学問です。顕微解剖学は光線顕微鏡の発明から発展し、電子顕微鏡の発明、実用化、さらには共焦点レーザー顕微鏡、原子間顕微鏡など新たな顕微鏡の開発により、人体の構造を細胞レベルから分子レベルで明らかにすることができるようになってきました。また研究の対象により、解剖学の中に組織学、発生学、人類学、比較解剖学などが区別され、教育の仕方により、系統解剖学と局所(応用または外科)解剖学に分けられます。

歯科基礎医学会の解剖学分野は歯学部の学生教育にあたり、医学部同様の解剖学に加え、口、顔や歯の構造、でき方を教育する口腔解剖学、口腔組織・発生学、歯の解剖学も担当しています。研究面ではさまざまな研究方法を用いて、口、顔や歯の構造、でき方を明らかにするばかりでなく、歯科の解剖学分野が得意とする研究手法を用いて骨や軟骨といった硬い構造物の研究も進めています。また、うまく物を食べるためにはいろいろな構造物が協調して調和の取れた仕組みが必要ですが、この調節を行う脳などの神経系の研究も進めています。

人体の仕組みと働きは密接な関係をもっており、そのため、解剖学分野に所属する会員は他分野の会員と密な連携をもつことにより、歯科医学の教育、研究、診療の更なる発展に寄与するために、日夜、研鑽を積んでいます。

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